唄うたいのうた

うた:小日向 陽ロティカ






重た(おもた)まぶたの唄うたい

つま先だちの唄うたい

今日も今日とて 背をまるめ

肩に引っ掛け ずた袋

予定調和の 外っ側

わざと探して 不安がり


「なんで なんで ばかりで」



かたんことんと ハンドベル

猫足もどきの ピアノ椅子

ベルトの切れた アコーディオン

色はあせても たゆたえど

それでもちゃんと 入ってた

ずた袋の中 入ってた


「正解が あるのかどうかすら」



二階 目薬 唄うたい

無理だ無理だと 上を見て

空の青やら 日の橙(だいだい)

綺麗じゃんか と 独りごち

頬ほろほろり してる間に

黒目に ぽつり 染み渡る


ああ 何事も なにごとも





「ねぇ やっぱり」



唄を。





泣きか笑いか わからない

くしゃくしゃ顔で 奏でたら

零れて跳ねて 音の粒

歪に転がり 音の粒

あちらこちらに ぶつかって

それでも それでも




重ねた温度が ミミレドシ

そこに 確かに ミミレドシ


憶えてる 憶えてら

合言葉は 五文字の




重た(おもた)まぶたの唄うたい

しゅわり 水飲む 唄うたい

あんず油と ホイップ メンタム

目尻の皺も 気にするなかれ

今日も今日とて 音符は五つ

唄う 唄おう ミミレドシ



唄う 唄おう ミミレドシ






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